日本は輸入大国

日本は工業においても食料においても輸入をたくさんしている輸入大国です。
工業においては、原料が国内で取れないからです。食料においては、食料自給率が低いからです。
基本的に、国内で不足しているものを補うのが輸入です。

そして、日本はある意外なものも大量に輸入しています。

それは水です。

日本は自然豊かで飲み水に不足してるイメージがわかないですよね。
なぜ水を大量に輸入しているかというと、輸入品で例に上げた食品が原因です。
食料や畜産物を育てるためには大量の水が必要です。
そのため食料や畜産物を輸入する消費国が、自国でそれらを生産すると仮定した時に必要となる水の量を推定すると大量の水も輸入していると言えるのです。
これはバーチャル・ウォーター(仮想水)と呼ばれる考えです。
そして、世界的に水不足が深刻な問題となる中で、潜在的な問題をはらんでいるものとして仮想水の移動の不均衡が指摘されるようになりました。

日本は食料自給率が低いため、世界最大の食料輸入大国です。このことを知っている人は、「食料自給率を高めなければ輸入ができなくなったときに大変だ。」という考えを持っていると思います。
しかし、一方で「それだけ輸入しているということは世界中の水を集めてしまっているので、水不足の問題が生じさせてしまう。」と考える人は少ないでしょう。

一つの問題を解決するためには様々な原因が含まれていることが多いです。その様々な潜在的な原因についても考える力が本当の問題解決能力ではないでしょうか。